TCの話など書いてたのでついでに。
某個人旅行向けガイドブックを参考に旅の携行品を揃えていったイチダイ青年。「どうだまいったか!」と言わんばかりの自信満々さで旅に出たのだが、その実バックパックの1人旅ではほとんど役に立たんかったよ、というものが携行品の中には色々あった。中でも上位ランクイン間違いなし、と思われるのが、
「携帯湯沸かし器」
旅行中、真夜中発作的に味噌汁がどうしても飲みたくなった時など、フロントに「おい、味噌汁飲むから湯を持ってこい。」などとはとても言えない小心者の私のような人間が大変重宝する代物なのである。
が味噌汁にそこまで中毒性はないので、仮に発作的に飲みたくなっても我慢できたり、違うもので気を紛らわせる事は人間の出来ている私には十分可能である。
というわけで、どうしてもこれで湯を沸かさなくてはならん、というシチュエーションは皆無である。3ヶ月こいつを携えていたが、これを使った機会はたったの1回だけだった。しかも人に見せびらかすためにワザワザ使った、って感じで…。
考えてみると普通のホテルに泊まり、片言とはいえ「お湯くれ」ぐらいは言えるんだから、こんなものが必要になる方がおかしいのであるが、海外に妙な偏見があったイチダイ青年は「備えあれば憂い無し」という先人の言葉を真に受けて持っていってしまったのである。
この携帯湯沸かし器というやつは、下部に変圧器を内蔵しており、プラグの変換アダプターを付けてやれば世界中どこでも湯が沸かせるー!という優れ物なのだが、この変圧器というのがちょっとした重さになる。90日のうち1回味噌汁を飲むためだけに持って歩くには割が合わない。
当時、私はモンベルの35リッターのリュックを背負ってたんだけど、旅慣れた人から言わせれば35リッターは明らかに小さいのである。それはもう外人の女の子なんかから「あんたのリュック小さいわねえ。」と笑われるくらい小さいのである。まあ荷物が少ないからいいんだけど、馬鹿なイチダイ青年は旅行が進むと荷物が増えるという法則を知らず、旅の途中からリュックはキチキチパッツンパッツン状態になってしまい、最終的にはサブのバックを買って、それを前からかけて「いじめられっ子スタイル」で旅をしていたのだ。まあそれはどうでもよくって荷物が増えてリュックを圧迫し始めると、役立たずの携帯湯沸かし器は邪魔者以外の何者でもない。「オシャレな小物入れ」として使ってみたりしたが、如何せん重いので、ついつい頭にきては何度も捨ててやろうかと思った。
が、出来なかった。
それは何故かというと、妹から借りていたものだったから。
妹から借りた大切なものだから。
という清らかな気持ちからではなく、捨てれば買って返さにゃならん。
それは…嫌〜!
というケチ臭い理由なのであった。
うーん帰ってからは1度も見てないな。妹が捨てたのかな?